住まいの味わい


 あけましておめでとうございます。
 新年、デモデモcafeは7日より。その後もハウスでは、勉強会や集中計測などが目白押しです。
 アメカゼアラウンドVol.2はブックレビュー
◎「住育」ことはじめ edu編集部編 宿谷昌則監修 小学館スクウェア発行
です。




■体感を生み出す成分は…■
 心地よさ、とひと口にいっても、よく気をつけてみると、そこにはいろんな種類の味わいのようなものがあるんだな、と思いました。
 「食」でいうと、インスタントや化学調味料は、たしかに便利で手軽ではあるけど、手間ひまかけてだしをとったり仕込みをした自然の味は、他にかえがたいものがあります。それと同じように、エアコン的な涼しさ・暖かさと、木陰や日だまり的な涼しさ・温かさでは、どこか違った味がします。
 この味を生み出すのは、私たちの身体と、私たちをとり囲む環境です。建物の床や壁の状態・材質、周囲の植物や水の有無といった、思った以上に広い範囲のものが、この味に作用しているようです。

■身体にそなわるメカニズム■
 住まいを味わうためのヒントのようなものも、いくつか紹介されています。
 たとえば、寒さ・暑さは身体の外から中へ入ってくるように一見思えます。でも実際は、私たちは食べ物から作りだした熱をつねに身体の外へ発散していて、その放熱のスピードがはやいか遅いかが、寒さ・暑さの体感になっていたのです。
 また、金属・木・発泡スチロールといった素材は、さわってみるとそれぞれ温度が違うように感じます。ところが違うのは温度ではなく「熱の伝わりやすさ」の方だったのです。じゃあ空気は、水は、そしてそれらが動いたときは……とすすんでいって見えてくるのは、生き物が元来持っている、実に気の利いたメカニズムでした。
 数字でわかること(温度や湿度)、数字だけではわからないこと(体感)。そういったことを意識しながら身体の声に耳を澄ませてみると、住まいが、そして日々の暮らしが、これまでとは少し違った表情をみせてくれるかのようです。

※宿谷昌則先生を迎えての勉強会「住育ことはじめ~エクセルギー理論から住まいを考える」は、1月13日、2月16日 午前10時~13時 雨デモ風デモハウスにて行われます。
(問合せ:NPOグリーンネックレス事務方 042-385-3191)


 今年もよろしくおねがいします。